2023年になって今年は兎年。12年前には我が家の小さいアイドル、ロップイヤーうさぎの「ウ吉」がいました。
息子が8歳で飼い始めたウ吉は、なんと息子が18歳になる手前まで家族の一員でした。とにかく元気で食いしん坊。チモシーのほかに、毎日セロリとぶどうパンを美味しそうに食べていました。外見の特徴は頭の毛がとさかのように立ち上がっていたところ。息子が描くウ吉の絵のとおりでした。(写真は息子が小学校の工作で作ったオルゴールの側面に描かれたウ吉の絵)
ウ吉と暮らした10年間は、一人っ子の息子にとっては弟のような存在で、毎日が賑やかでした。が、やはり老化には抗えず徐々に後ろ足に力が入らなくなり、次に前足、半年ほどで寝たきり状態になってしまいました。
床ずれを少しでも和らげてあげたいと体の向きを変えるたびに、やせ細った体が痛々しくて涙が出ました。
そして最期の日、まだ朝も明けない午前3時ごろ、リビングから鳴き声が聞こえてきたのです。今までに聞いたこともない悲しそうに叫ぶ声。それはウ吉の声だとわかりびっくりして飛び起きました。
10年間一度も鳴いたことがないウ吉が、最期に一度だけ力を振り絞って家族を呼んだのでした。私は急いで息子を起こし、二人でウ吉を見守りました。ウ吉は私と息子がそばに行くと安心したのか徐々に鳴かなくなり、それからまるで大地を駆け抜けるように両足を大きく動かしました。
「もういいよ、ウ吉。よく頑張ってくれたね。ありがとう。」私と息子はウ吉の体をなでながらそう言いました。
ウ吉がいなくなって、もう10年の時が過ぎました。でも今でもウ吉の温かい体温やふわふわのラビットファー、可愛いしぐさを思い出します。
さびしいよ、ウ吉。